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古ビル再生|PORTAL Apartment & Art POINT 渋谷

2018.02.15

2018年2月15日発行週刊ビル経営掲載記事


築36年11階建60戸の共同住宅、人気の高収益複合施設へ

この連載企画では、競争力が低下した築古ビルをニーズに適う形でどう再生し、リブランディングしていくのかを弊社物件の事例をもとに解説していく。

第二回目となる今回は、老朽化した中小規模ビル・マンションの再生・リブランディングのモデルケースとも言える、昨年11月にオープンした「PORTAL Apartment&Art POINT」を紹介する。
立地するのはJR「渋谷」駅から徒歩5分の渋谷桜丘町。
築36年11階建て1010坪、60戸の共同住宅1棟をリノベーションした事例である。
東京急行電鉄株式会社と共同のビッグプロジェクトで、弊社で展開している「PORTAL POINT」シリーズに、新たに「住む」機能を取り入れた、オフィス、アパートメント、家具付きサービスアパートメント、店舗で構成される複合施設へと再生させた。国内外のクリエイターやスタートアップ企業に向けて新たな働き方や暮らし方を実現する場を目指している。

オフィス区画は10坪前後の個室のスモールオフィスと、20坪前後のプレミアムオフィスの2タイプの29区画と、法人登記可能なワークラウンジ1区画を用意。
住居は全30区画で、そのうちの12区画が家具付きサービスアパートメントである。賃料はオフィス区画で坪約2.5万円、家具付サービスアパートメントで坪約2.5万円、アパートメントで坪約1.6万円と周辺の新築物件にも引けを取らない価格設定でありながら、特設サイトをオープンすると約150件もの入居問合せがあり、リーシング開始より3カ月でオフィスは満室となり、あとはアパートメントを2区画残すのみとなり高い収益性を確保している。

本来であれば、高い収益性を確保できるオフィスの割合を増やしたかったが、住居フロアを5層残すことで余剰面積を生み出し、1階に店舗を設置しても容積オーバーとならない計画とした。また、本来法人登記が不可能なアパートメント区画であっても、ワークラウンジの利用により、そこに法人登記ができるようになり、実質SOHOとしての利用も可能とし高単価でのアパートメントリーシングを実現した。

建物全体のデザイン力と企画力の高さと、ファッション雑貨のセレクトショップBEAMSとのコラボレーションによる話題性などに加え、高い技術力とリーシング力が好調の原因だと考えられる。渋谷は東京でも有数の観光スポットで、国内のみならず海外からの観光客も多く、最先端の文化の集積地であると同時に、発信地でもある。そんなエネルギー溢れる「渋谷らしさ」を汲んだ当物件は、建物自体にもエリアにも新たな価値を生みだしている。老朽化が進んだ中小ビルでも、アイデアとリノベーションによって新しい価値を生み出すスポットに十分に再生できる可能性を持っている。弊社は、多様なワークスタイル・ライフスタイルを求める入居者とビル経営に悩むオーナー、両者の思いを汲んだ不動産の再生に今後も挑戦していく。

(著:代表取締役社長岩本裕)